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「庭」の3冊。 住宅は住宅だけで完結しない。 住宅には必ず外部の空間があり、建築的には「外構」など と呼んだりするが、それは要するに「庭」のことだ。 庭といっても、庭園から坪庭、あるいはアパートメントに付属 するバルコニーまで様々な形態が考えられるけれど、とにか く、人の暮らしには、必ずその外部空間が要る。 そして、住宅の建築を生業とする木村さんが、庭に関心がな いわけがない。 ■ 庭仕事の愉しみ 庭がいかにこのノーベル賞文学者を癒したか。 とにかく庭仕事は、なにかを捧げれば必ず正直に応えてくれ るのだ。そしてそのことが雑事から心身を解放し、あらたなる 思索と創造を生む。 園丁はみな哲学者だ。 ■ 庭 日本美の創造 日本の名庭園についての随筆集。 技法的な面だけではなく、時代背景、作庭者の精神性と いったところから芸術としての庭園の美を思索している。 「私はしだいに庭が芸術であることに目覚めだしていた。 芸術とは作った人の自己表現だ。庭を作ることによって、 祈りを完成し、自己の自然を、自己の宇宙を創成すること ではないか。」 見立てではなく、創造物、つまり作庭者が土や石や木や 草で描いた立体作品として見るということだけれど、なる ほどそう見れば、庭の相貌が違って見えてくる。 ■ 宇宙の庭 龍安寺石庭の謎 鳥玄坊こと明石散人という人の「解釈ゲーム」の面白さは、 トンデモと知的のギリギリのところにあるんだけれど、よく 考えてみると、できあがったものを、自分都合の資料を駆使 して、強引に意訳するのは、それほどたいしたことじゃない。 この竜安寺の枯山水石庭のスペース・ガーデンという謎解き も悪くはないけれど、こいつはこの資料を読んでないからだめ だ、なんていうレヴューがあったりするから怖い。 こういう庭は、絵画を眺めるのと同じで、要は、変わらない もの(庭)を前にして、移ろいゆくもの(自然や自分)を、感じ られればいいんじゃないかと思うんですが。 |
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庭仕事の愉しみ ヘルマン・ヘッセ 草思社 19960912 12刷 ¥1,900 GD ¥1,200 | ご注文方法 | お問い合わせ | |
庭 日本美の創造 吉村貞司 六興出版 19810225 初版 ¥1,600 GD ¥1,200 | ご注文方法 | お問い合わせ | |
宇宙の庭 龍安寺石庭の謎 明石散人/佐々木幹雄 講談社 19920225 1刷 ¥1,400 GD ¥700 | ご注文方法 | お問い合わせ | |