10125            11450           とりあえず、いちおうと、選んでいただいた「建築」の三冊。

「とりあえず、いちおう」は、「とりあえず建築の仕事してる
んだから、いちおう建築の本も選んどかなきゃ」ということ
じゃないかと思っています。

■ CASA BARRAGAN 

「ひたすらシビレます。」

バラガンは、architect's architect だ。

メキシコにしか作品を造らなかったバラガン。
素朴なテクスチュアの壁を、花の色や空の色や大地の色
に塗りつづけたバラガン。
天上からの官能的な光に、おそらく神を見ていたバラガン。

バラガンの建築を見ていると、彼のなかでは若き日にパリ
で浴びたモダニズムとメキシコ人としてのアイデンティティ
とが、境界線なく交わっていることがとてもよくわかる。

ルイス・カーンをはじめとして、この孤高ともいえる建築家
を敬愛する建築家は少なくない。
木村さんもきっとその一人なんだろう。

■ ライトの遺言 A TESTAMENT BY FRANK LLOYD

「コルビュジェよりもやっぱりライトかなあ、こっちに行きた
いです、哲学として。」

コルビュジェとミースと、近代建築の3大巨匠として並び称
されてきたライトですが、92歳で亡くなるまでに430以上の
建築を実現させたという、実は多作の人でした。

TESTAMENT(遺言)と名づけられたこの本、「有機的建築」
というコンテクスト、そして建築の本質は内部空間にこそあ
るんだという考えは、ひとつの普遍でしょう。

■ 評伝 イサム・ノグチ

木村さんの会社の入り口には石のオブジェが鎮座していて
それは、このイサム・ノグチの牟礼での石匠(実際の制作
者)だった和泉正敏さんという方が造られたものだそうです。

イサム・ノグチは牟礼(香川県)で産出される花崗岩「庵治
石」に惚れて、その地にアトリエを造りました。  今そこは、
「イサム・ノグチ庭園美術館」として公開されています。

いろいろな素材で様々なものを制作、デザインしている人
ですが、本質的には、ロダン-ブランクーシと続く近代彫刻
の系譜に連なる人で、庭も家具も照明器具もすべてひとつ
の彫刻ととらえていたんじゃないかと思います。

11069            

CASA BARRAGAN
齋藤裕
TOTO出版     20030715 4刷     ¥3,619
GD     not for sale

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評伝 イサム・ノグチ
ドーレ・アシュトン
白水社     19980130 2刷     ¥5,300
VG     not for sale

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ライトの遺言 
A TESTAMENT BY FRANK LLOYD WRIGHT
フランク・ロイド・ライト
彰国社     19811020 13刷     ¥2,800
GD      ¥1500
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