11967 人間人形時代 稲垣足穂 松岡正剛/杉浦康平 足穂文学の異常と正常の間のような世界にはけっこう好きなんで す、とおっしゃる木村さん、「この作品はあまり好きなほうじゃないん ですが、この本自体は悪くないですよねえ」 確かにこの本は足穂作品というよりは、松岡正剛さんの編集色が 濃く漂っていて、どちらかというと、松岡正剛/杉浦康平作品ととら えるべきでしょう。 稲垣足穂という稀有な素材、杉浦康平による造本、執筆年もテーマ も違う文章による3部構成、スーパーエディターを自称する Seigow氏 の、おそらく快心の一作ではないかと思いますが、足穂世界との一 体感はうすく、時代背景はあるにしても、作り過ぎの感は否めません。 |
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