11496 古寺巡礼 和辻哲郎 岩波書店 19400430 16刷 ¥2圓50銭 この69年前の本のたたずまいに魅かれたという木村さん 日本文化を語るエッセイとしては、古典中の古典といえる一冊で、 誰もが知っている名著ですが、このオリジナルの体裁(1919年初 版)は、さすがに独特の雰囲気をもっています。 この古寺仏像をめぐって何かを語るという、いまではスタンダードに なった文化論やエッセイのスタイルは、この人が編み出したもので、 たとえば、みうらじゅんといとうせいこうの快作「見仏記」のシリー ズは、その典型ですが、若きモダニストが、奈良の古びた仏像を前 に、リアルタイムで何かを語るということ自体が、当時としてはとても 斬新なことだったのではないかと思います。 |
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