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長距離走者の孤独
THE LONELINESS OF THE LONG-DISTANCE RUNNER


アラン・シリトー
集英社    19741030 8刷     ¥750
労働者階級が描いた1950年代の英国のピカレスク。
いわゆる「怒れる若者たち(angry young men)」の代表作です。

大人の世界の偽善を繊細に感じとる若者の、「理由なき反抗」、
「ライ麦畑」のホールデンは、ニューヨークをさまよい、あげく精神
病院に入れられてしまったけれど、感化院にいるスミスは、ひた
すら走る、誰のためでもなく、自分のためだけにひたすら走る。
走っているときは孤独だけれど、「この孤独感こそ世の中で唯一
の誠実さであり現実であり、決して変わることのないという実感」
を全身で感じることが、彼の唯一のリアリティだから。

この50年代が、やがて60年代のヒッピーへとつながっていきます。

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