SPOT LIGHT
コトバノイエの30冊、今回の curator は、「Meets Regional」 のエディター、半井裕子さん。

これまでの3回が、一癖あるオジサン(失礼)ばかりでしたから、できれば次は若い人か女性の方にと考えていたのですが、お客様として来ていただいたときの、その鮮やかなセレクションがとても印象的だった彼女が思い浮かび、お願いしました。

「Meets Regional (=ミーツ)」は、京阪神の街遊びには欠かせないタウンペーパーの雄。
カジュアルな雰囲気の中に、「街」へのこだわりをもったそのスタイルは、雑誌というメディアが本来もっている「祝祭性」を強く感じさせるもので、なかでも呑み食いの特集は、いかにも大阪らしい、まさに regional なコンテンツ として、際立った存在感をもっています。


天気のよい日だったので、外のテーブルでのランチをはさんでのセッション。

女性であるということだけでなく、プロとしてコトバの世界に身を置く人が、コトバノイエの本棚からどんな本たちをピックアップしてくれるのか、いつのときも、自分の本棚から人がセレクトした予想もつかないタイトルを眺めるのは、とにかくスリリングなものなんですが、できあがったブックリストには、植草甚一じゃないけれど、「おもわずうなって」しまいました。

「たくさん面白い本はあると思うんだけど、ただ読みたい読みたくないだけではなくて、選ぶときに、なんとなくつながっているものを集めてしまうんですよね。」と半井さん。

そのテーマは、「人とか人々とか」。
ふつうってなんだろう、ふつうじゃないこととの境界線はどこにあるんだろう、本棚を眺めながら、そういうことを考えていたと、選後のインタヴューでおっしゃっていました。

テーマを決めてその周辺を探っていくというのは、セレクションではなく、まさに編集の手法。
一見脈絡のなさそうなブックリストも、彼女の中では、おそらく一冊の雑誌のように、「ゆるやかなまとまり」をもっていて、一冊一冊の本が、その素材に見えていたんじゃないでしょうか。

ちなみに、読んだことのある本はひとつもないそうで、それもまたなんとも男前。


June 15, 2009   

BOOKS+コトバノイエ 店主敬白




注 : 本は選者や編集者の意図を含まずストックナンバーの順に掲載しています。














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